2010年09月27日

フランクフルト2

独逸』、

フランクフルト』の続き。

ドイツの古くからある都市の構造は大体決まっていて、城壁(跡)で囲まれた旧市街地区の中央に、かつて市が開かれたマルクト広場(Marktplatz)がある。その近くには、市庁舎ラートハウス(Rathaus)が建ち、街のシンボルとなるような大聖堂(Dom)があったりする。郊外鉄道(S-Bahn)や地下鉄(U-Bahn)、トラムやバスが走り、鉄道の駅(Bahnhof)、中でも大きな中央駅(Hauptbahnhof)が存在する。

そう、中央駅はドイツ語で"Hauptbahnhof"(Hbf.と略す)なのだが、これには苦い想い出が。件のフランクフルトの友人は以前デュッセルドルフに住んでおり、新人研修でロンドンに行っていた折に訪ねて行った事がある。「空港から電車に乗って中央駅に来てくれ」と言われていたのだが、中央駅だから"Zentral…"何とかだろうと思って自動販売機を見ても少しも見つからない。この時は親切な人が手伝ってくれて、無事に"Hauptbahnhof"までの切符を買えたのだが、まるで出来の悪い子供みたいでバツが悪かった。ドイツ語の"haupt"は「主要な」と言った意味だから、むしろ「中央駅」と言うよりは「主駅」なのだ(実際、車内アナウンスの英語版では"main station"と言っている)。

それはさておき、空港からU-bahnで中央駅へ向かい、ホテルに荷物だけ置いてすぐに散策に出る。ホテルに着いたのが4時少し前。後で述べるように、フランクフルト3泊のうち残り2日は遠出をする予定だったので、まともに市内観光をする時間は今日しかないのだ。フランクフルトの中心となるのは、マルクト広場でなくレーマー広場(Roemerplatz)。レーマーはローマに由来する。このレーマーこと旧市庁舎には、カイザーザール(Keisersaar、皇帝の広間)と呼ばれる部屋があり、歴代神聖ローマ帝国皇帝の肖像画が並ぶ。

Roemer.JPG Keisersaar.JPG

その神聖ローマ帝国で、皇帝選挙および戴冠式が行われたのが大聖堂(カイザードームとも呼ばれる)。ちなみに先ほどのカイザーザールは、戴冠式後の祝宴会場でもあった。

FFMDom.JPG

さて、フランクフルトといえばゲーテ。「若きウェルテルの悩み」や「ファウスト」で有名なゲーテは、ここフランクフルトの産まれ。フランクフルトっ子はゲーテを大変誇りに思っているらしく、市内にもゲーテ生誕の家を再現したゲーテハウスや、隣接するゲーテ博物館が存在する。もっとも、博物館の方は残念ながら工事中で見られず。

Goethehaus.JPG

その後は、パリのオペラ座をモデルにしたというアルテ・オーパー(Alte Oper)、そしてガラス張りのオフィスビルのようにも見えるフランクフルト歌劇場(Oper Frankfurt)を眺めたりしながら、200メートルの展望台を誇るマイン・タワーに向かう。マイン・タワーからの夜景を見ると、ヨーロッパの都市のネオンがいかに少ないか(逆に言うと、日本のネオンが余りにも多すぎるか)が分かる。

AlteOper.JPG OperFrankfurt.JPG

MeinTower.JPG
posted by としゆき at 23:10| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月26日

フランクフルト

独逸』の続き。

フランクフルトの友人だが、出発直前にメールを送ると休暇中という自動返送のメールが。現地でどうしたものやらと思ったが、オフィスの連絡先は知っているし、一応携帯やメールでも連絡は取れるから、とメールだけ入れておいたところ、出発前日深夜に携帯が鳴る。どうも家族の御不幸で一時臨時帰国していたらしい。とりあえず連絡がついたと安心して眠るも、朝9時35分発のルフトハンザLH711便なので、起きるのは意外に早い。朝6時40分のリムジンバスに乗って成田空港に向かう。

例によって両替レートを見てみると、13日朝の時点での市場実勢はユーロ円で107.15 - 107.19。みずほ銀行の両替レートは現金で100.67 - 112.67、トラベラーズチェックで105.00 - 108.17。せっかく円高になってきていたのに、やっぱり両替手数料は高すぎだろう。もっとも、現地入りしてすぐに為替介入があって、ユーロが113円近くに飛ぼうとは予想もしてなかったのだが。

今回のエアバスA380だが、機内アナウンスによれば、総重量は521トン、そのうち燃料が206トン、実際に使用する燃料は184トン(だから22トンは予備)と言うことらしい。あんまりピンと来ないが、燃費を概算してみると、

- 成田〜フランクフルトは約6000マイル
 (≒約9600キロ)
- 華氏60度の比重は0.775〜0.84kg/l
 (温度によって変化が激しいらしい)

ということなので、大雑把には9600キロ÷(184トン÷0.8kg/l)で、リッター約40メートルということになる。ファクター2程度の誤差があるとしても、やっぱり「でかい」(あるいは「重い」?)んだなぁ…と実感。

LH711.JPG

そんなことを考えてたりするうちに、飛行機は無事にフランクフルト・マイン国際空港に到着。よく知られた「フランクフルト」は、正式名称はフランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)。「マイン川沿いのフランクフルト」だが、ドイツ国内にはもう一つの「フランクフルト」、フランクフルト・アン・デア・オーデル(Frankfurt an der Oder)が存在する。国際関係に詳しい人なら「オーデル・ナイセ線」について必ず聞いた事があると思うが、これはドイツ・ポーランド国境をなすオーデル川とナイセ川。というわけで、こちらの「フランクフルト」は旧東ドイツにある小さな街。いわゆるフランクフルトも、鉄道の時刻表なんかを見ていても、"Frankfurt (Main)"と一応カッコ書きはしてあるのだが、以後アム・マインを「フランクフルト」で通す。

高層ビルの珍しいドイツにあって、金融機関の本店が集中するフランクフルトはニューヨークのマンハッタンになぞらえて、「マイン・ハッタン」と渾名されたりする。欧州中央銀行(ECB)や、ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)はもちろん、ドイツ銀行やコメルツ銀行の本店が存在する。ちなみにコメルツ銀行ビルは300メートルの高さで、ヨーロッパ第2位の高さを誇るらしい。経済誌等でユーロ関係の記事が出るときには、必ず見出し写真に使われるECB前には巨大なユーロ・マークのオブジェが存在する。

ECB.JPG

金融都市フランクフルトは、観光名所と言う意味では数少なく、しかもある程度の小さな領域に集中している。その中でも、フランクフルトに行く事にして楽しみだったのがシュテーデル美術館。ここには、あのフェルメールの「地理学者」が収蔵されているのだが、残念ながら工事中で美術館は閉鎖中(フェルメールについては『フェルメール』参照)。せっかくドイツまで行ったのに…と思っていたら、どうも来年3月に渋谷Bunkamuraで「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」が開催されるらしい(2011年3月3日〜2011年5月22日)。そのときまで待つとしよう。
posted by としゆき at 19:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月25日

独逸

今年、2010年はドイツにとって記念日だらけ。東西ドイツ統一20周年(ちなみに昨年はベルリンの壁崩壊20周年)、日本人に人気のロマンチック街道60周年、マイセン磁器300周年、そしてミュンヘンでの世界最大のビール祭り、オクトーバーフェスト200周年。観光業界もドイツ関係のツアーには力を入れているようだ。

ここのところ、エジプト(『ピラミッドとスフィンクス』参照)、ペルー(『地上絵体験』参照)、イスラエル(『以色列』参照)と、「僻地」ばかり行っていた嫌いがあるので、久々に王道のヨーロッパに行ってみようと思っていたところだった…この間、パリへの日帰り旅行(『弾丸トラベラー』参照)もあったが、さすがにこれは例外ってことで。

と言うわけで、今年の旅先はドイツに決定。しかもかなり早い段階で決めていたので、以前からやろう、やろうと思って出来なかったマイレージを使ってのビジネス・シートお徳旅行を計画。今年は7月からANAが成田〜ミュンヘン便を導入する予定だったし、とりあえず成田→フランクフルトで金融の街を体験し、ロマンチック街道沿いに南下、ミュンヘン→成田で帰国ということにする。ところが、3ヶ月以上前に申し込んでみたのだが、チケットの取れないこと、取れないこと。もちろん、マイレージ特典旅行用の枠自体がやはり少ないのだろうが、ANA便はほぼ無理。さすがにルフトハンザ便は結構数があるが、

- オクトーバーフェストに重なる
 (今年は9月18日〜10月4日)
- 仕事もあるから月末は含まない
 (しかも9月末は半期末だ)
- なるべく旅行期間を長く
 (会社規定で7平日は休む必要有)

等などの拘束条件をかけていくと、選択肢は殆どなくなってしまった。とりあえず、13日に成田→フランクフルトにビジネスで入るが、帰りは23日にミュンヘン→成田のファーストしかないと言う。しかも(ユナイテッド航空の)マイレージの規定で、片道でもファーストを使う場合は、往復ファースト分のマイレージが徴収される。席が取れないことには仕方がないので、とりあえずこの予定で席を確保し、行きのファーストが空くのを待って連日電話を入れる羽目になった。キャンセル待ちを受け付けていないのだ。

結局、出発直前どころか、当日空港についてマイレージ・デスクがあくまで時間を潰して電話をかけたり、駄目元でチェックイン時に事情を説明してアップグレードをお願いするも、あえなく玉砕。行きのフランクフルト便、エアバスA380のファーストは素晴らしいと聞いていたのだが…。

ホテルの方も、オクトーバーフェスト中はミュンヘン中のホテルがスクイーズされるという話だったのだが、早めに申し込んだせいか、会社の契約しているホテルを格安に確保できた。ただし、通常前日までのキャンセルが2週間前までのキャンセルに変更になっていたが。それぐらいは問題なし。後日、フランクフルト在住で旅行会社勤務の友人と合流する予定となり、彼の日程(とホテルの空室状況)が許せばオクトーバーフェストにも一緒に行こうと言う話が出たのだが、その時点ではミュンヘンのホテルはもうどこも満室。空室があったとしても、とんでもない「オクトーバーフェスト価格」となっており、残念ながらミュンヘンには一緒に行けなかった(ちなみに、旅行会社の彼からしても、僕の予約できたホテル代金は「ありえない!」ということらしい…申し込みが遅れてたらどうなってたことやら)。

ミュンヘンに関してはオクトーバーフェストがあるから気をつけていたのだが、フランクフルトのホテルについては油断して放っておいたら、Automechanika2010と言うメッセが9月14日〜19日開催ということで、ホテル料金が「メッセ価格」に跳ね上がっていた。油断大敵。こちらも会社の契約してるホテルを押さえたが、割引枠はとっくの昔に売り切れて(?)おり、泣く泣く言い値で宿泊する事に。まあ、フランクフルトは3泊しかしないから我慢しよう。
posted by としゆき at 18:30| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ドイツ紀行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月08日

エルデシュ数

ポール・エルデシュと言う、ちょっと変わった数学者がいた。『放浪の天才数学者エルデシュ』によると、一日19時間も数学の事ばかり考えていたり、知り合いの家を泊まり歩いては数学の問題ばかり解いていたり、天才と何とかは紙一重…と言うのがぴったりな人だったらしい。

そんなエルデシュは生涯に1500本以上もの論文を書いており、冗談半分で「エルデシュ数」と言うものが定義された。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%A5%E6%95%B0

『エルデシュ自身はエルデシュ数 0 を持つただひとりの人物とされ、エルデシュ数が n の者と共著で論文を書いた者にはエルデシュ数 n + 1 が与えられる』。つまり、論文多産なエルデシュからの「距離」を示す指標だ。数学科の後輩に聞いてみると、彼はエルデシュ数4だと言う。

上のWikipediaにもある通り、数学界以外でもエルデシュ数を持つ人は多い。面白そうなので調べてみたら、このページによると、物理学者ではスティーブン・ホーキング(Stephen Hawking)がエルデシュ数4を持つらしい。大学院時代の先輩に聞いてみると、

ホーキング(4)→UCバークレーの某教授(5)→僕の物理学科の同期(6)→その指導教官(7)→僕(8)

と辿れると言うことなので、とりあえず僕もエルデシュ数8までは確認出来た。僕が学生時代に書いた論文は全部同じ共著だったから、多分これ以上は小さくならないだろう(共著の彼らにホーキングからショートカットがあれば別だけれど)。

その話を件の数学科出身の後輩にしたところ、「じゃあ、いつか私と一緒に何かを書いて、アラーキーとお同じにしましょう」と来た。上のページにもある通り、秋山仁→佐高信→荒木経惟で、エルデシュ数4らしい。と言うわけで、数学界最多論文数を誇る天才エルデシュには、僕よりもアラーキーの方が近いのだった(もっと言うと佐高信の方が近いってのも何だが)。
posted by としゆき at 21:30| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする