2010年05月30日

日比谷オクトーバーフェスト

日比谷公園での「日比谷オクトーバーフェスト2010」に行って来た。オクトーバーフェストというのは、そもそもビールの本場、ドイツはミュンヘンで毎年開催されるビール祭りで、ドイツ国内はもとより近隣諸国からもビール党が集まると言うイベント。日比谷公園では今年で5回目になる。5月なのにオクトーバー?という疑問もあるが、それはさておき。ちなみに、日本では他にも横浜や仙台で同様のイベントが開催されている。今年は仙台が6月12日、13日開催で、こちらはオクトーバーの名を諦めて「仙台ジャーマンフェスト」として開催予定。横浜の方は10月10日〜17日。

ミュンヘンのオクトーバーフェストはとんでもなく混むと言う話なのだが、正直、日比谷公園はそこまででもないだろう…と思っていたら、大間違い!日比谷公園内噴水広場が会場だったのだが、日比谷公園なんて殆ど行ったことないので良く分からず、タクシーの運転手さんが「あぁ、噴水ね。分かりました」という場所で降りたらそこは、公園の端っこにある小さな噴水。もちろん、ビールのビの字もなく、公園内を延々と歩く羽目になる。

歩いていく途中、にぎやかな音楽が聞こえてきたり、ビールグラスやお皿を手に持った人たちがたむろしていて、気持ちが盛り上がってくる。ビールやソーセージの屋台には長蛇の行列で、座席も全然空いていないし、想像以上の人気にただただ唖然。会社の元先輩も偶然来ており、同僚のドイツ人も合流するとの事だったが残念ながら会場では出会えず。かなり混んでいたから探すのも大変だったろうけれど。

それでも何とか、カリービュルスト(カレーソーセージ)やアイスバイン、そしてビールをゲットして、何とか空席を見つける。噴水(こちらはちゃんとした大きな噴水)の周囲に椅子とテーブルが並び、多くの屋台に囲まれて飲むビールはなかなか。天気も悪くなかったので、ちょっとしたビヤガーデン気分。CMでもお馴染みになった"♪ Ein Prosit〜"と言う歌も歌われていたりして、盛り上がる、盛り上がる。残念ながらソーセージの屋台に並んでいるうちに、アンコール(ドイツ語では"Zugabe")も終わってしまい、音だけしか聞こえなかったのだが…。

と言うわけで、日比谷のオクトーバーフェストを堪能して帰ってきたのだった。この上はもう、ミュンヘンの本物に行くしかないでしょう。
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2010年05月29日

CMAとCFA

今日、出先から家に帰ると日本証券アナリスト協会から葉書が来ていた。実は先月一次試験を受けていたのだが、そろそろ合否通知が来る頃…と思って、封印されている葉書をめくると

『2010年第1次試験春試験結果 開示請求書』

と書いてある。不合格のときに限って、自分の成績がどのくらいの位置にあるかを訪ねる事ができるというものだ。それなりに自信はあったのでびっくりしたのだが、反対側をおめくるとちゃんと、受験した三科目(証券分析とポートフォリオ・マネジメント、財務分析、経済)とも合格と言う通知が来ていた。と言うわけで、来年の二次試験に向けてまた勉強しないと。

ちなみに試験は青山学院大学だったのだが、キャンパスの中に入ったのは初めて。お洒落なイメージとは違って意外に(?)古い建物が多かった。

さて、証券アナリストは、試験だけ受けて合格すれば良いというわけにいかず、一年弱続く通信教育講座を受講しないと試験すら受けられない。合格しても高い年会費を払い続けないと登録すらしてもらえない。ぼったくりも良いところなのだが、まあ我慢するとしよう。

日本の証券アナリストはChartered Member of the Securities Analysts Association of Japan、略してCMAと呼ばれるが、金融の本場アメリカにはChartered Financial Analyst、略してCFAという資格がある。アメリカ国内の資格だが、世界中から受験者が集まり、試験のレベルもそれなりに高いので、資格保有者は名刺にCFAと入れていることが多い。それなりにステイタスなのだ。日本の証券アナも名刺に「日本証券アナリスト協会検定会員」と入れられるが、持っていても敢えて入れない人も多いようだ。

で、以前は日本の証券アナを持っているとCFAのlevel Iは無試験でパスできていたらしいのだが、喧嘩別れでもしたのか今はその制度はない。さらに、CFAの試験は毎年6月上旬(level Iのみ12月にも)だが、証券アナの二次試験はわざと同じ日にぶつけてくると言う。知り合いは証券アナ二次試験を受けようとしたのだが、CFAを優先して二次試験を放棄したらしい。いい迷惑だ。

と言うわけで、僕もついでに12月のCFA level I試験でも受けてみようかな、と考えている。で、来年6月には証券アナ二次試験を受けて、再来年にはCFA level II、さらに翌年level III…と言う遠大な計画。もっとも、各レベル最低250時間は勉強しろ等と言われているようなので、忙しさに負けて挫折したりして。
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2010年05月23日

国技館

大相撲五月場所、千秋楽を見に両国は国技館へ行って来た。会社の同期の親戚の方が、小錦関のタニマチだった会社勤務だった縁で、チケットを入手してもらえたのだ。と言うわけで、生まれて初めての大相撲は、同期4人で升席観戦。噂に聞いていた升席の狭さだが、思ったほどではないかな?と言う印象。もっとも、これから6時くらいまで観戦だから、やはり大人4人だとやや狭いかも。まだこの時間だとお客さんの姿もまばらだが、座席から土俵は良く見える。僕たちの枡は所謂向こう正面(南側)。

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ちなみに、2階席の一番上から土俵を眺めると、1階席(特に前方)がいかに「土俵際」かが良く分かる。

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お茶屋さん(国技館内に20件程軒を並べる)に挨拶に行くと、いきなり大きな袋を渡される。中身はパンフレットの他に、おつまみ、サンドイッチ、幕の内弁当、国技館名物の焼き鳥等など。飲み物も飲み放題で、幕内の取り組みが始まるまでは散々飲み食いして時間を過ごす。

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その親戚の方は、所謂砂かぶり席(溜席)のチケットをお持ちで、しばらくは国技館内で知り合いの方に挨拶して回ったりということで、僕らにも座ってみるチャンスが。土俵際、最前列のその席は、すぐ横に審判員が座っていたり、土俵入りする関取が目の前を通ったり、さすがに迫力の座席。交代で見に行って、僕も2回ほど座ったのだが、十枚目の土俵入り(午後2時頃)、中入り後の幕内・横綱土俵入り(午後3時半頃)を目の前で見ることができた。両方を較べると、観客席の入り具合が全然違っている。

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砂かぶりはその名の通り、土俵の砂が降ってくるくらいの距離にある。取り組み内容によっては力士が降って来る事も(幸か不幸か僕の観戦時にはなかったのだが)。

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取組も三役になってくるとさすがの迫力。応援していた新大関・把瑠都関は琴光喜関に破れてしまうも、前日に通算999勝を上げて、千秋楽での1000勝目がかかっていた魁皇関が見事、琴欧洲関を寄り切る。琴欧洲関には悪いが、この瞬間は国技館全体が魁皇関の応援をしていたのではないかと思われる盛り上がりだった。座布団が飛んでくるのではと身構えてしまったが、最近は危険だと言う事で規制が厳しいせいなのか、特にそういうことはなし(取組表にも「座布団や物を投げて人に怪我をさせた場合は、暴行罪・傷害罪に該当する場合があります。」との警告あり)。

また、本場所は既に優勝を決めていた横綱・白鵬関だが、日馬富士関を破っての二場所連続全勝優勝。

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本日は千秋楽なので、最後の30分程は表彰式が続く。宮崎県知事賞で牛肉が送られたときは、会場からの盛大な拍手。序の口に上がることになった力士を祝う「出世力士手打式」は、つい先ほどまで見ていた幕内力士に較べると、随分と華奢な体格で心配になってしまう。しかし、ここから将来の大横綱が生まれるかもしれないのだ。

大満足で帰ろうとすると、お茶屋さんからさらにお土産が。再び焼き鳥、餡蜜、チョコレート、甘栗、あられ、湯のみまで、本当に持ちきれないほどのお土産。升席のチケットは、ある意味こうしたお土産と「抱き合わせ」ではあるものの、なかなか来られない大相撲。機会のある方は是非どうぞ。

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2010年05月19日

イングランド優勝?

昨日マーケットでちょっと話題になってたのが、JPモルガンの出したレポート"England to Win the World Cup!"。同社の株式リサーチが普段使っている定量モデルをサッカーのワールドカップに適用し、優勝チームはイングランドと予想したもの。

投資の世界では、何にどう投資するか?を決定するために、様々な分析手法が用いられる。純粋にバランスシートや業界情報を分析する「ファンダメンタル分析」もあれば、過去の値動きのチャートを解析する「テクニカル分析」、そして様々な数値的・統計的データを用いるクオンツと呼ばれる定量的なアプローチが用いられることがある。

こうした数値的手法は何も金融に限った話ではない(『相対価値の絶対計算』参照)。今回のレポートは、クオンツ手法をサッカーに当てはめてみたもの。よくシンクタンクが○○の経済効果は○○円…等としてニュースになったりするが、そうした「宣伝」効果を狙ったものだろう。もっとも、イングランドが負けた時には「当たらないじゃないか」と言う批判が起こるリスクもあるが、そこはあくまでお遊びとして、簡単な読み物ですよ、と言い訳も出来る。悪くないやり方かもしれない(何より、こうしてついつい読んじゃう読者も出てくるわけだし)。

上で分析手法を分類したが、もちろんそれらは独立・背反と言うわけではない。個人的にはテクニカル分析はあんまり好きじゃないが、彼らのコメントを聞いていてもきちんとファンダメンタル情報を把握しているのが分かったりする。クオンツも、時として余りにも衒学的で(何をしているのか分からない)「ブラック・ボックス」なんて言われたりするが、それでも多くのクオンツ分析はファンダメンタルな情報を取り入れている(数値化して統計的に扱う所に力点が置かれる訳だが)。

さて、今回のJPのレポートは、実際の株式の分析とワールドカップ分析を比較している。考慮した要素は次の通り(カッコ内は株式版の要素)

- ブック・メーカーの掛け率、FIFAランキング(PER等)
- それらの最近の変化トレンド(超短期の株価トレンド)
- 過去のワールドカップ成績、最近のFIFAランキングスコア獲得状況(市場センチメント、アナリストによる推奨等)
- ブックメーカー間での一致度合い、勝率(ROE等)

少し分かりにくいが、最後の部分がファンダメンタル分析に相当する…と主張されている。そして、これらの要素を国別に計算し、各要素に重みを加える。実はここがポイントで、どのような要素を選ぶかと共に、どのような重み付けをするかが結果を大きく左右する。この部分まで「ブラック・ボックス」でやることも出来るが、この辺の匙加減がアナリストの腕の見せ所(「鉛筆なめて決めてる」等と揶揄される場合もあるが…)。

結果的に、JP式でもっとも高評価を得たのはブラジルなのだが、実際のワールドカップの組み合わせでシミュレーションしてみた結果、優勝するのはイングランドと出たと言う。ちなみに上位3チームはイングランド、スペイン、オランダ。この3カ国が優勝する確率は52.5%と言うことらしい。ここでオランダがポルトガルだったりしたらPIGSとかSTUPIDとかの関係で思惑を呼んで面白かったのに。

ところで我らが日本はと言うと…ブラジルが1位となった純粋な「実力」では参加32ヶ国中31位(北朝鮮が最下位)。実際のシミュレーションにいたっては、3戦全敗だそうです。
ともかく、開幕は6月11日。がんばれ日本!

posted by としゆき at 21:19| 東京 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

「憂鬱と官能を教えた学校」TV

以前の日記『音楽の正体』で触れた、『憂鬱と官能を教えた学校』が何とテレビ化されるらしい。本来、この本は講義録を活字化したものだから、その映像化、というか、講義の再現となる。

ジャズ編に突入したNHK教育の「“スコラ” 坂本龍一 音楽の学校」(『音楽曜日』参照)でも、大谷能生が軽やかな解説を行っているが、大変分かりやすいので「憂鬱〜」も見てみたい気がする。の、だが、放映するのがフジテレビNEXT…残念ながら契約してないので見られないが、初回放送は11日(火曜日)22時から。「音楽の正体」が好きだった人、「スコラ」が面白いと思った人、そして何よりフジテレビNEXTが見られる人、是非見て感想を聞かせてください。
posted by としゆき at 23:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月07日

誤発注?

いつものように朝起きてテレビ東京のモーニング・サテライトをつけると…アメリカ市場は大変なことになっていた。うつらうつらしながらニュースを聞いていると、「外国為替市場では円高が進み…」(うんうん、93円ちょっと位だった…)「一時、87円台に突入…」(えっ、87円台?)と言うところで、ぱっと飛び上がってしまった。

ダウ平均も一時期1000ドル近い暴落をし、そこから348ドル安まで急反発して引けている。この1000ドル近い大暴落直前は300ドル安くらいだったから、「何か」が起こったに違いない。様々な報道がなされているが、どうも日本でもかつてあった誤発注ではないか、という説が出ている。一説には"million"と"billion"を打ち間違えて、1000倍大きな注文をしてしまったとか何とか。金融市場ではmillionが単位となることが多く、たとえば為替でも100万ドル=USD 1millionを「1本」と言ったりする。英語でも、ドル紙幣のことをbucksと言うが、USD 10millionを"ten bucks"等とも言う。

で、誤発注があったのもシカゴの先物だという説もあれば、P&G株だという説もあり、いやいや複数銘柄だ、という話も出てきたりして、正直この時点ではまだ良く分からない。P&Gという社名がPI(I)GSのPortugal&Greeceを連想させたわけでもないだろうが、確かに株価の動きを見ると「何か」が起こっている。P&G株は一時、40%近くの暴落を起こした。

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ところが、別の銘柄でも問題が発生しており、たとえばアクセンチュアなんか一時99%も下落してたりする。

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さらにさらに問題をややこしくすることに、NasdaqやNYSE(ニューヨーク証券取引所)が、あまりにも異常値で出会った取引は無効にすると宣言したことだ。これで、たとえば99%安で買っていた人が、50%安まで戻したところで売って利益確定し、結局30%安で終了したとする。このとき、前者のみが無効とされ、後者だけが有効になると、この人は49%分の収益だったはずが、20%分の損失(しかもまだポジションを閉じていない)になってしまう。この無効措置、かなり混乱を招くことが予想されるが、本日金曜日のニューヨーク市場はどうなるだろうか。

ところで余談だが、めざましテレビでニューヨーク特派員の佐野瑞樹アナがこのニュースを伝えていた。上記P&Gの件を伝えるとき、「ミリオン、一億単位を、ビリオン、一兆単位と間違えたのでは」云々等と何度も言っていたが、それはあくまで円換算すれば1ミリオン・ドル=100万ドル=約1億円弱、10ビリオン・ドル=100億ドル=約1兆円弱、と言うことであって、ドルの単位じゃないよ、と言うことが気になった。相変わらずの棒読み口調で、分かってるのかな?とやや不安になってしまう佐野アナ、バラエティでは好きだっただけに、ニューヨークでも頑張れ。
posted by としゆき at 20:18| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月05日

リーマン関連いくつか

いまさらながら、と言ってはなんだが、2008年9月15日に破綻したリーマン・ブラザーズ関係の話。

まず、BBCが作成したドキュメンタリー「リーマン・ブラザーズ 最後の4日間」を見た。CEOであったディック・ファルドを中心に描き、ニューヨーク連銀で開催された、各投資銀行による最後の救済会議等が語られる。それぞれの役に「そっくりさん」を配置していて、見ていてもなかなか面白い。ジェームズ・クロムウェルによる、時の財務長官ヘンリー・ポールソンなんか、非常にはまり役。連銀総裁として登場する現財務長官、ティモシー・ガイトナーが非常に小粒に見えてしまう。

リーマンの最後を横目に見ながら、メリル・リンチを(当初、リーマン買収の一番手と見なされていた)バンク・オブ・アメリカに売り渡し、会社と我が身の安泰を図ったジョン・セイン。CEO会議で、(意外にも?)救済策を纏め上げるべくリーダーシップを取るゴールドマン・サックスのロイド・ブランクフェイン等、救済会議のシーンがなかなか興味深い。「リーマンの次はメリル」と噂され、「我が社は大丈夫」と虚勢を張るセインに対し、ポールソンは「君が朝食に何を食べているかも、こちらでは把握している」と断言する。各社の財務内容を100%把握しているからこそ、現実を受け入れて知恵を絞れ…と語る彼に、米政府のサポートなしという条件で席を立とうとした参加者達も、議論を再開せずにはいられなかった。

最終的にリーマンの買い手と期待され、土壇場で降りたバークレイズ、そのCEOロバート・ダイアモンドは、名前だけ出てくるが姿を見せず。あくまでアメリカ側からの視点で描いた作品だからか、BBC製作だからなのか…。

そのポールソンを「悪役」として、リーマン日本法人代表だった立場から「リーマン・ブラザーズと世界経済を殺したのは誰か」を著したのが桂木明夫。1000億の売り上げ、100億の利益を誇りながら、日本のリーマンも本社のチャプター11申請の翌9月16日、民事再生法を申請する。これについては本書でも触れられているが、リーマン本社の保証付で調達した資金が多く、チャプター11に伴って期限の利益を喪失するためにそうせざるを得なかった由。いかに金融ビジネスが信用で成り立っているかが分かる。

本書は、リーマン関係者なら全員がそう思うのだろうが、ベアー・スターンズは救済しておきながら、なぜリーマンは違ったのか、という怨嗟で満ちている。そして、その決断を行ったポールソンへの恨み節でいっぱいだ。実際、リーマン破綻で混乱の極地に達して後は、AIG救済、ひいてはGMでも何でも救済…と際限がなくなっていく。であるなら、なぜリーマンだけが…と言う気持ちも分からなくはない(余談だが、中空麻奈「早わかりサブプライム不況」では、リーマンだけが海外の政府系ファンド等、「外資」が入っていなかったからだ、と示唆されている)。

ところで、本書の最後で著者が、リーマン本社が行っていたとされる不適切な会計処理に関して「もとより私が知るところではない」と述べているが、にわかには信じがたい。破綻前からリーマンが採っていたといわれる不適切なレポ取引(俗に「レポ105」と呼ばれる)の噂は出ていたし、元リーマン関係者からも耳にした事がある。であるならば、東京トップが「知らなかった」では済まされない。

同様に、アメリカ本社のインサイダーとしてリーマン破綻時を描いたのが、ローレンス・マクドナルド、パトリック・ロビンソン共著の「リーマン・ブラザーズはなぜ暴走したのか」。こちらは前掲「〜誰か」が友人でもあるディック・ファルドに同情的(その代わりにポールソンを叩いている訳だが)なのに対して、徹底的にファルドを槍玉に挙げている。著者の一人、マクドナルドはディストレスト部門に属し、大規模な空売りで収益を上げていた。だからこそリーマンの内情をよく見抜き、ファルドら経営陣に不動産関係のリスク削減を提案していたのだが、そうした提案が受け入れられる事はなかった。

この本はリーマン終幕劇のインサイダー物としても面白いが、空売りを絡めてデルタ航空等の破綻から収益を上げていくドラマとしても面白い。なかなかこの手のストーリーは外部には聞こえてこないからだ。空売りは特に株式市場では目の敵にされることが多いし、「〜誰か」でもリーマン株を空売りする「投機筋」をあげつらっている。ただ、相対取引中心の債券系では「空売り」がなければそもそも市場が成り立たないし、「空売り」によって今次信用危機を切り抜けた人たちも存在する。もっとも、かつてはサブプライム関連の「空売り」で莫大な利益を上げて英雄視されたポールソン・ファンドとゴールドマンが米議会で槍玉に上がっている昨今だが(ポールソン・ファンドのジョン・ポールソンが、ヘンリー・ポールソンの代わりに財務長官であれば…なんて声さえ聞かれたのに)。

リーマン関係の書籍も一巡したところなので、あの「ライアーズ・ポーカー」のマイケル・ルイスの新作、"The Big Short"の邦訳が早く出ないかな。
posted by としゆき at 17:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月03日

55歳

松屋銀座で「ゴーゴーミッフィー展」が開催中。ミッフィーと言えばご存知、オランダの絵本作家ディック・ブルーナが生み出したウサギのキャラクターだが、日本でもファンは多い。ちなみに松屋銀座では5年前にも50周年記念展が開催されている。

ディック・ブルーナのインタビュー映像や、絵本の原画等が展示されているが、今回の目玉は各界著名人(?)からミッフィー55周年を祝って贈られたバースデー・カード。単なる自己満足で、奇をてらいすぎたものもいくつかあったが、あの和田誠から送られていたカードが最高に良い。彼独自のタッチで、ミッフィーと共に作者のブルーナを描く。こんなカードなら是非欲しいものだ。

また、さくらももこからもカードが贈られているが、彼女は今回の展示のテーマソング「ハッピーバースデー ミッフィー!!」の作詞も担当。会場にはこの曲がずーっと流れていて、思わず知らず口ずさんでしまう。50周年の記念ブックレットも「お買い得」だったが、今回のブックレットはこのテーマ曲CDもおまけについて、さらにお買い得。和田誠からのカードも掲載されているので、会場で是非買ってみては。

ところで、今回はミッフィーとコラボ…とか何とか言って、色々なデザイナーがミッフィー商品をプロデュースしているが、なんかこの辺りが商売っ気がたっぷりで、やや気に食わない。あの佐藤可士和も「ミッフィーのおかげで今の僕がある」とか何とか言っていて一枚噛んでるようだが…はてさて(彼がミッフィー、ブルーナを好きなのは本当らしいが)。

5月10日までの展示なので、興味のある方は是非どうぞ。
posted by としゆき at 18:44| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする