2010年02月26日

"真央ちゃん効果"

バンクーバー五輪も、恐らくは日本人にとって最大の山場となった女子フィギュア競技が今日終わった。87日だけ若すぎてトリノ五輪に参加できず、満を持してバンクーバーに乗り込んできた浅田真央。トリノに続く2回目の五輪となる安藤美姫。摂食障害から立ち直って代表の座を勝ち取った鈴木明子。何より、ショート・プログラムで2位に入り、同い年、同じ月に生まれたライバルの金妍兒との最終決戦を迎える浅田真央に注目が集まる。

24日のショート・プログラムは会社のテレビ画面に映る浅田真央を応援していた。ミスらしいミスもなく演じきったと思ったが2位。それでもショートをやり切った彼女は笑顔に溢れ、フリーでの逆転が期待されていた。

24日には、浅田真央、金妍兒の滑走時間には、マーケット参加者もテレビに釘付けで取引が閑散となる…なんて事もあったが、実際に日経平均先物の分刻み出来高を見てみると…

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正確に時間を見ていたわけではないが、上のグラフで赤色になっているのは、次の選手の滑走予定時刻だった部分。

12:54 浅田真央
13:00 金妍児
13:07 鈴木明子
13:27 ロシェット
13:53 安藤美姫

やはり日本の3選手、そして金妍児の時間帯は取引が細っている事が分かる。今日は2月末で、たとえば債券部門では毎月恒例の年金基金の超長期買いがあったりして、何かと忙しい日のはずなのだが、このメディアの言うところの「真央ちゃん効果」で流動性が著しく下がる事が警戒されていた。

では今日の日経平均先物はどうだったかと言うと…

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上位で注目が集まるのは、

13:13 安藤美姫
13:21 金妍児
13:29 浅田真央
13:37 ロシェット

といった選手達。クレオパトラが思った以上に良かった安藤美姫は後半、相場を黙らせているし(彼女の派手なメーク?は外国人には受けるようで、うちの会社のフロアでも彼女には主に外国人社員から大きな歓声が上がっていた)、金妍児はさすがの貫禄。確かに見ていても「完璧」と言える演技で、演じ終えた後には溜息さえ漏れていた。続いて登場する浅田真央も、トリプル・アクセルを2本見事に決めたものの、ジャンプ着氷の乱れから調子を狂わせた後半には、諦めも出たのかテレビから相場に戻る動きも見られた?

実際に職場では、少なくとも金妍児・浅田真央の二人の滑走時間はマーケットが死んだように静かだった印象がある。ではこの二日間だけでなく、たとえば22日月曜日の午後はどんな感じだったかというと…

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うーん、あんまり良く分からない。今年に入ってからの毎日の出来高はと言うと…

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春節(2月15日の週)の方が出来高少なかったりする。さすがに一日中「真央ちゃん効果」が続くわけではないが、バンクーバー五輪で最も日本が注目した瞬間だったのは間違いないだろう。マーケット参加者にとっても。

posted by としゆき at 23:26| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月21日

クリスタル・ジャパン

バンクーバー冬季オリンピックも折り返し地点を迎え、今までのところ日本は銀メダル1つ、銅メダル2つ。前回トリノは荒川静香の金1つだけだから、数では増えたが、ここはやはり金メダルが欲しいところ…女子フィギュアの浅田真央に期待か。

今回は時差の関係で、日本時間の早朝〜昼間に放映されることが多く、仕事中も思わず中継に見入ってしまって困ってしまう。男子フィギュアの中継では、高橋大輔の4回転が転倒に終わったときなど、職場のフロア中から溜息が漏れていた。

今回注目しているのは女子カーリング。「クリスタル・ジャパン」という愛称は「チーム青森」に較べると思ったほど浸透していないかな?という気もするが、チームの実力、視聴者からの人気も前回から相当進歩しているのではないだろうか。緒戦アメリカ戦を僅差で制し、第2戦カナダ戦は最後の最後までもつれる試合で惜敗。第3戦中国戦はミスも続いて落とすも、第4戦イギリス戦は、解説の小林宏さんも思わず興奮して応援してしまう程の盛り上がり。第9エンドのラストでスキップ・目黒の見せたスーパーショットは、ライブで見ていた僕もテレビの前で歓声を上げるほど素晴らしかった。

その日の夕方にNHKで放映されたバンクーバーオリンピック・ベストセレクションでも、この小林さんの興奮した「よ〜し!」を特集するほど。ちなみにこの番組の司会を勤めるベッキー(父親がイギリス人)に、日英戦で日本が勝って良かったですね…と言わせるのは、ちょっと酷だったかな。

トリノの時にNHKの刈屋富士雄アナウンサーが、本橋麻里の愛称「マリリン」を連発して以来、彼女ばかりが注目されるが、見ていて頼れるのはやっぱり目黒萌絵。各国美人揃いと評されるカーリング代表の中で、美人と言うよりも「かっこいい」という印象が強い気がする。氷上のチェスとも呼ばれるカーリングだが、小林さんも言うとおり、ストーンを投げる前にプランA、代替のプランB…と作戦をたて、臨機応変に指示を出すスキップの役割は大きい。

明日は対ロシア・ドイツのダブルヘッダー。決勝トーナメントに進める上位4チームを目指し、前半戦は2勝2敗で終えて、いい位置につけている日本。今後の活躍に期待。
posted by としゆき at 18:18| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月11日

トム・ウェイツ

山崎豊子の「不毛地帯」がフジテレビでドラマ化されて放映されている。主役・壱岐正を演じる唐沢寿明は好きな俳優だし、モデルとされる瀬島龍三は自伝「幾山河」や、晩年にやはりフジテレビで日本を憂える発言を繰り返していたのを見て興味がある人物だった。と言うわけで、ドラマも見たかったのだが、初回を見逃してしまったのでいま一つ気合が入らず、毎週録画してまで見ようと言う気力がなくなってしまった。

それでも仕事を終えて帰宅したとき、たまたまテレビをつけると放映されていたりして、思わず終わりまで見入ってしまう事も多い。切りのいいところまで…と思っていると、いつの間にか雪に覆われたシベリアの風景をバックにしたエンディングが始まってしまう。そのエンディングで流れるのがトム・ウェイツの「トム・トラバーツ・ブルース」。渋い低音の歌声の魅力でなかなか聞かせる曲なのだが、本当に偏見ながら、勝手に黒人の、太ったおじさんジャズ歌手のようなイメージを持っていた。

ところが、ちょっと検索してみると…



…全然違った。彼は俳優としても活躍しているようで、最近だと「Dr.パルナサスの鏡」にも出演していたらしい。

この曲がまた、ドラマの重厚な雰囲気と非常に合っている。ドラマも油田開発編となり、いよいよ終盤へ。あと何回、「トム・トラバーツ・ブルース」を聞くだろうか。
posted by としゆき at 23:37| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | テレビ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月02日

影のMPC

イギリスには「影の内閣(Shadow Cabinet)」というものがある。議院内閣制のかの国では、もちろん時の政権与党が内閣を構成するが、一方で野党側も将来の政権交代に備えて、各省庁に対応した責任者を置いて政策議論を進める。政権交代時には原則としてそのまま閣僚になる。先の総選挙で政権党となった日本の民主党にも同様な制度があり、こちらは「次の内閣(Next Cabinet)」と呼ばれている。もっとも実際の組閣の際には全然違うメンバーが選ばれたりして、一体何のための仕組みなのか分からないのだが、まあ、それはさておき。

さて、日本の日銀にあたるのがイギリスのBank of England (BOE)だが、BOEが金融政策を議論する場が金融政策委員会、Monetary Policy Comittee (MPC)だ。各国中央銀行も同様な枠組みを持ち、金融市場はその一挙手一投足に目を凝らしている。たとえば本日のReserve Bank of Australia (RBA)みたいに、市場が既に織り込んでいた利上げをスキップしたりすると(3.75%から4%への利上げが予想されていたが、RBAは金利を据え置いた)、いきなり外為市場で豪ドルが売られたり、債券・スワップ市場で中短期の金利が急激に低下したりする。で、そのBOE MPCだが、何とこちらにも「影のMPC」が存在するのだ。

中央銀行は政府からは独立しているはずだから、政権交代が起こったからといって中銀組織がすぐに変わるわけではない。実際、先ごろブッシュ政権下で米連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名されたバーナンキは、本人も共和党員ながら民主党が多数を占める議会によって再任されている。もっとも、史上最多の反対票を集めたり、日本でも武藤副総裁(当時)の総裁就任が時の野党であった民主党によって葬られるなど、100%政治からフリー・ハンドと言うわけには行かないのだろうが。

だから、この影のMPCも別に現在野党の保守党が組織してる訳でもなんでもなく、一体何なのかと言うと、イギリスの経済問題研究所が市中のエコノミストを集め、実際のMPCよろしく(擬似)金融政策を議論する場だと言う。結果はタイムズ紙に報じられる。昨日もこの影のMPCで評決が割れ、4日に発表される本物のMPCの結果に対する不透明感が増している…等と言う報道があったりした。

もっとも、同僚の英国債トレーダーに言わせれば、"The BOE doesn't care at all about this shadow MPC."なのだそうだが。
posted by としゆき at 22:19| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする